前回に引き続き、保育シーン別予防・対策について解説します。
今回は、日常的な保育活動における感染症対策についてお伝えします。保育活動にはクラス活動、おもちゃ・遊具、園外の公園、給食・おやつなど様々な場面がありますので、状況に応じた感染症対策を行っていきましょう。
1、保育活動別の感染症対策
前回は『観点① 来園』の感染症対策を考えましたので、今回は『観点② 保育活動』と『観点③ 活動場所』を対象に行っていきましょう。
観点② 保育活動別に分類
クラスでの保育活動
おもちゃ・遊具
給食・おやつ
観点③ 保育の活動場所で分類
園内:保育室・職員室・給食所・トイレ
園外:公園
<シーン別分類の例>
クラスでの保育活動
1. 保育活動場所を感染リスクが低くなるように設定
保育活動の中心となる部屋・クラスは、園児と担任の職員のみが入れるように制限し、不特定多数の人が入ることができないようにします。
出入り口での手洗い・消毒によってウイルスを持ち込まず、換気によってウイルスを減らす予防対策も一緒に行うようにしましょう。
このとき保育室を感染リスクの可能性で分類するゾーニングについて知っておいた方が良いです。
ゾーニングについてはこちら記事で解説していますのでおさらいしておきましょう。
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2. 60代以上の保育士は、接触する人数を減らす
感染症対策は、職員や保育士を守るためにも行われるべきです。
重症化リスクの高い60歳以上の職員がいる場合は、担当クラスを限定したり外部の人とのやりとりを減らすなど接触する人数を減らす工夫を行ってください。
3. 担当の保育士を固定化
園児と接する保育士や職員が多くなればなるほど、その分感染する可能性も高くなります。
担当する保育士を固定化することで、担当以外の園児への感染のリスクを減らします。
<クラス活動における感染症対策>
2、おもちゃや給食時の対策を考える
おもちゃ・遊具
1. 口に入れたおもちゃは洗浄、消毒
ウイルスは感染者が触った物の表面に付いています。
保育園では、触るという行為だけでなく子どもたちが舐めたり口に入れたりする危険性があるので注意してください。
その一方で、保育の質の充実を図り保育士の仕事の負担を減らすためには、無駄な感染症対策を減らして時間を有益に使いたいものです。
ウイルスが触っていないおもちゃに付着する可能性は低いと考えられます。
手を洗っていない人がおもちゃに触った時、別の場所に持ち出した時などウイルスが付着する可能性がある時に消毒を行うようにして、過度に消毒をすることはやめましょう。
また、見落としがちなのが皮膚の傷から病原体が入り込む可能性があるということです。
傷口があれば絆創膏や包帯などで保護するようにしましょう。
<消毒について>
2. クラスごとに使用するおもちゃを分類
接触感染を予防するためには、触った人の少なさがポイントになってきます。
つまり、触る人が少なければ少ないほど、感染の可能性も減ります。
クラスごとにおもちゃを分ける、おもちゃを触る保育士を決めるなどおもちゃを触る人を減らす工夫を行いましょう。
3. 遊具の使用後は消毒、清掃
遊具を使用した後は、手洗いを行うようにしてください。
遊具そのものについてもよく触れる場所は消毒や清掃を行います。
4. プールや水からコロナに感染する可能性は低い
プールや水からコロナに感染したという明確なエビデンスは今のところ発表されていません。
飛沫感染や手すりなどからの接触感染を予防する方が優先順位は高いと考えられます。
<おもちゃ・遊具の感染症対策>
給食・おやつ
1. 保育士や調理師などは、マスク着用
食事中はどうしても飛沫感染の可能性が高くなるため、保育士が話すときはマスクを付けるようにしましょう。
特に園児と普段接することの少ない調理師や栄養士はマスクを着用してもらうようにしましょう。
コロナが治るまでは、なるべく話したり触れ合ったりすることを避けるようにします。
2. 給食やおやつの前後には、手洗いとうがいを徹底
手が食事に触れてしまうこともありますし、食事を飲み込むためウイルスも一緒に体内に入りやすくなります。
食事中に話しているとどうしても飛沫が飛んでしまいます。さらに友だちの食器を触ったり、配膳したりすることもあるでしょう。
そのため、給食やおやつの時間の前には手洗いとうがいを行います。
給食やおやつの時間が終わった後も、飛沫感染や接触感染を防ぐために手洗いとうがいをしましょう。
< 給食・おやつの感染症対策>
3、場所に応じた対策とは
保育室・職員室・給食所・トイレ
1. 定期的な換気、あるいは常時換気
換気を行うことで、部屋の空気を外の空気と入れ替えることで、部屋にいる可能性のある空気中のウイルスを外に出すことができます。
換気の基本については、『手洗い・換気・マスクを見直す 保育園の感染症対策2』にて解説しています。
寒くない換気については、冬の感染症対策の記事にてまとめていますので参考にしてください。
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2. 1日1回以上の清掃・消毒
清掃が必要なタイミングを決めて行います。
決まった時間に行うもの良いですし、来客後や1日の保育活動が終了したタイミングなど特定の行動が会った時に清掃や消毒を行うように決めるのも一つの良いやり方です。
3. 入室前の手指消毒、手洗い
部屋に入る前に感染症対策を行うことで、部屋にウイルスを持ち込まないようにします。
4. 外から園内に入るときは検温、手洗い、うがいを徹底
送迎、お散歩、園庭での運動など保育園や部屋の外から中に入る時は特に念入りに感染症対策を行います。
<各部屋の感染症対策>
公園(園外)
1. 公園にある遊具は、なるべく触らない
公園は誰でも楽しむことができる場所です。そのため、不特定多数の人が公園のあらゆる場所を触っています。
公園の遊具や置いてある物にはなるべく触らずに、持ってきたボールなどのおもちゃで遊ぶ、おもちゃを使わずに楽しめる遊びを行うなどの工夫をしながら公園を楽しみましょう。
2. 触った後、帰る前には手洗いを徹底
公園から帰る前には、必ず手洗いを行います。
手洗いをする前に爪を噛んだり、鼻をほじったり、目を擦ったりする行為をしないよう、気をつけてください。
<公園の感染症対策>
まとめ
今回は保育活動の中心となる日常シーンを見ていきました。それぞれに必要な感染症対策を設定し、自園の状況に合わせた感染症対策を実行していきましょう。
来園者への依頼事項
送迎バス
クラスでの保育活動
おもちゃ・遊具
給食・おやつ
園内:保育室・職員室・給食所・トイレ
園外:公園
園内で行う場合
園外で行う場合
保育園の形は1つではありません。
保育園の経営者、園長先生、保育士が、「自園が取るべき行動は何か?」と主体的に考え、行動することが何よりも大切です。その一歩のための支えになることができましたら、これほど嬉しいことはありません。
みなさまのお力になれることがあればご連絡ください。
「経営課題について解決支援をしてほしい」という具体的なご相談はもちろん、「とりあえず話を聞いてみたい」という場合でも、相談は無料ですので保育園のコロナ対策や経営についてご不明な点や疑問点などありましたらお気軽にご相談ください。
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